私︵記者︶は2ヵ月にわたってヴォーンを取材し、言語能力を観察した。そして彼の言語力を長年知る10人を取材し、17の言語で実際に会話する様子を見た。ポリグロットのための国際会議の開催者を紹介した際には、ヴォーンはウェールズ語、ブルガリア語、セルビア語、ノルウェー語など、10の言語を行き来しながら話していた。 ヴォーンにとってはどの言語も、その言語のおかげで﹁つながることができた人たちとの物語﹂だ。 たとえばアメリカ手話は、聴覚障がい者や手話者のための大学の学生たちから、ダンスフロアが震動することで有名なクラブで学んだ。日本語は週に一度、ボランティアでいけすを清掃しているレストラン従業員から覚えた。セイリッシュ語は姪と一緒に学び始め、ネイティブアメリカン居留地のあるモンタナ州に車で2度旅している。そこで親しくなった言語学校の元教員ヴァンス・ホーム・ガンは、東海岸出身のヴォーンがその言葉を発音で
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