長野県警の巡査部長2人が車検証に記載された個人情報を漏えいしたとして地方公務員法(守秘義務)違反容疑で逮捕された事件。愛知県警が捜査員への脅迫事件を端緒に進めた個人情報売買の捜査は、国民を守るはずの警察官をも取り込んだ底暗いビジネスの世界を次々に明るみに引きずり出した。その中心にいたのは、さまざまな種類の情報ルートを束ねる「情報屋」の存在だった。 「お前にも家族がいるだろう」。愛知県警の捜査員の携帯電話や自宅電話に10年7月から8月にかけ、知らない男から脅迫めいた電話がかかった。捜査員は、自宅の電話番号を親戚にしか知らせていなかった。 電話番号を漏えいさせていたのは岡山市のソフトバンク代理店の店長だった男(33)=今年6月逮捕。脅迫電話がかかる約2週間前、店の情報端末から取得し、探偵業者に売っていた。捜査関係者によると依頼主は愛知県内の風俗店経営者。関連する風俗店グループは指定暴力団山口組