8月最後の土日、縁あって﹁高遠ブックフェスティバル﹂に参加してきた。フェスだ、夏フェス。でもふつうのフェスのイメージとちょっと違うぞ、﹁ブックフェス﹂だ。 具体的にどんなフェスかというと、2日間、高遠という町全体を﹁本の町﹂に仕立て、﹁ブックツーリズム︵本+旅︶﹂を体験できる試み、なのだ。 旅行に本を1冊携えて行く方も多いと思うが、その本自体をテーマにした旅とは―それはどんなものだろう。正直、企画から参加させていただいた私にも、当日まではっきりとしたイメージは頭になかったのだ。がしかし。 ︵乙幡 啓子︶ 本当に﹁本の町﹂になってた! 高遠という町の名は、以前から知っていた。﹁たかとお﹂という響きが強く印象に残っていて、何で知ったかは記憶にない。長野県の南信地方、伊那市の一部。春には一帯が桜の名所になる。城跡も歴史もそこにあるが、決して大きくはない町だ。こんなフェスがなかったら一生来なかった