交換殺人には向かない夜 (カッパノベルス) 作者: 東川篤哉出版社/メーカー: 光文社発売日: 2005/09/26メディア: 新書 クリック: 8回この商品を含むブログ (84件) を見る この作家二冊目。 とてもチープなギャグ(しかし常套的ではなく、作者自身の色々な意味で独自の感性が反映されていると思う。誉めないけど憎めないですね)とドタバタな展開に目を奪われていたが、ラストで明かされる真相と、そのために周到に用意された緊密な構成に圧倒される。ははあ、そう来ますか、と単純にいたく感心した。東川篤哉が、実力者であることを自ら満天下に示した傑作ではないか。今年の本格系ベスト投票では、そこそこの票を集めそうだ。 もっとも、出版社のブランド力から、数字の上では『館島』に大敗を喫するんだろうなあ……。
分厚くて字がびっしりだけど読み口が軽くて気づけばどっぷり読んでしまう幻想伝奇トラベルミステリエンターテインメント(適当だ)。『鳥類学者のファンタジア』が好きだった人ならきっと気に入ると思う。流麗な描写の中に何事もなかったかのように埋まっているお笑い具合が楽しいです。 助教授桑潟幸一は、たまたま文学辞典に説明を書いた作家、溝口俊平の遺稿が雑誌に掲載されるということで原稿を依頼されたことから、恐ろしい思いをすることになる。うだつのあがらない助教授「桑幸」のどうでもよい日常(これが「スタイリッシュ」とはヒッキー*1らしい前衛的な言葉遣いである)における小物っぷりが面白い。現実と幻想を難もなく行き来する展開の見事さは相変わらず。怪奇な場面は描写が達者なので一層怖くて読むのがつらいのが困ったところ。 瀬戸内海の小島での伝奇がいかにもそれらしく根が深そうで、こんな小物が事件を解決できるするのかいな…と
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く