航空自衛隊のミサイル基地建設を目的にした国有保安林の解除処分に端を発して、自衛隊の合憲・違憲問題に発展した﹁長沼ナイキ基地﹂訴訟。違憲判決は二審で覆された/1976年 ︵c︶朝日新聞社 裁判官の仕事には大きな責任が伴う。特に﹁違憲判決﹂を下した裁判官には、多くの苦悩がつきまとう。そのひとりである元札幌地裁裁判長の福島重雄さんはこう振り返る。 ﹁︵違憲判決を書いたら︶もう出世はしないだろうとは思ったね。でも、憲法76条3項に“すべて裁判官は、その良心に従ひ独立してその職権を行ひ、この憲法及び法律にのみ拘束される”と書いてある。僕はただ、そのような裁判官としての仕事をしただけです﹂ 1973年9月、札幌地裁裁判長だった福島重雄︵85︶は、長沼ナイキ基地訴訟で﹁自衛隊は明らかに軍隊であり、憲法9条に反する﹂との判決を出した。自衛隊の存在を﹁憲法9条違反﹂とした唯一の判決だ。 しかし、この判
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