半世紀に渡り地元を苦しめ続けた八ッ場ダム建設計画 <八ッ場ダム計画には無理がある> 国の名勝、吾妻渓谷に八ッ場ダムをつくる最初の構想が発表されてから、今年で57年目になる。国は総選挙後、いよいよ本体工事に着手し、2016年3月までにダムを完成させるという。けれども、工事の進捗状況からすれば、予定通りにダムができる可能性は限りなくゼロに近い。 八ッ場ダムは今世紀に入ってから、工期の延長と事業費の増額を繰り返し、関係都県︵首都圏1都5県︶の議会は計画の変更を三度呑んできた。しかし、四度目の計画変更がすんなり受け入れられるとは考えにくい。東京など下流都県は、昨年、三度目の計画変更を呑むにあたって、﹁やむを得ないものとして同意﹂したものの、工期の再延長、事業費の再増額が今後ないよう求める異例の意見を付した文書を国交大臣に提出している。 ダム事業の長期化は、ダム予定地の住民に大きな犠牲を強いてきた。