いつの時代も秋葉原という街は、マニアの聖地という数奇な運命を背負っているようだ。戦前にはNHKが、戦後には民放ラジオ局が開局し、ラジオブームが到来した。しかし当時のラジオとは、安価に流通させるために組み立てキットが主流だったため、普通の人が組み立てるのは難しかった。 そこで当時の学生が、ラジオのキットを組み立てて販売するというアルバイトを始めたところ大当たりしたというのが、﹁秋葉原電気街﹂の発祥であったという。それまでは電線を始めとする電化部材を求める業者の街だった秋葉原は、一般人へ広く門戸を開くこととなる。 その後、三種の神器と言われたテレビ・洗濯機・冷蔵庫の街となって飛躍的な進歩を遂げながら、その裏ではスキルのある者を対象としたオーディオパーツ、そしてマイコンキットの街として、多くのマニアが集まることとなる。 筆者自身の過去には、いわゆる﹁マイコン少年﹂の時代はない。九州の片田舎にあっ
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