車で老婆をひき殺してしまった歌舞伎役者・中村右近(堺正章)は、自首を勧める警備員・野崎(きたろう)を口論の末突き飛ばしてしまい、誤って死なせる。その日の演目終了後、右近は自分の楽屋に置いておいた野崎の死体を、すっぽんという昇降装置を使って歌舞伎座の舞台に運び、天井のすのこから転落したように見せかける偽装工作をした。右近は一度その場を去るが、その後なぜか楽屋に戻って茶漬けを食べるという謎の行動をとる。やがて野崎の遺体が発見され、警察が到着し現場検証が始まる中、右近は歌舞伎座内の自動販売機で飲み物を買ったが商品もお釣りも出てこずに立ち往生している古畑に出くわす。何が起こったのかと古畑に尋ねる右近は、野崎が舞台上で死んでいたと聞いた際、ある発言で口を滑らせる。それを聞き逃さなかった古畑は、右近自身や歌舞伎についての世間話をしつつ、右近を徐々に追い詰めていく。 時系列の第1回。犯人(中村右近)は2