教師の長時間労働が問題になるなか、学校現場でタイムカードの導入が進んでいる。ただ、﹁出勤時のみカードをかざす﹂など、勤務時間の実態把握から、ほど遠い運用も少なくない。専門家らからは﹁実態把握なしに、長時間対策の議論ができるのか﹂と声があがる。 ﹁カードをかざすのは朝の出勤時だけです﹂ 川崎市の公立小学校に勤務する30代の教諭はそう話す。読み取り機にカードをかざすと﹁ピッ﹂と音がするが、記録されるのは﹁出勤した﹂ということだけ。帰る時はカードをかざさないので、在校時間も分からない。 どれだけ働いたかは紙の勤務…