中国のジャーナリストであり詩人でもある師濤さんから自由を奪ったもの、それは電子メールでした。 師濤さんは、米国系インターネット企業Yahoo!︵ヤフー︶のメールアカウントを使って、2004年4月に米国へ電子メールを送信しました。 Yahoo! は師濤さんの個人情報を中国当局に提供し、その結果、師濤さんのメールは当局の検閲を受け﹁海外に国家機密を不法に提供した﹂という理由で逮捕されたのです。師濤さんが送った電子メールは、天安門事件記念日の期間中に報道が扇動して社会不安を引き起こさないよう警告する、中国共産党の内部指令書に関連した内容でした。 2004年11月に拘禁されて以来、裁判では当局の妨害により弁護士不在のまま師濤さん自らが弁護を行いました。また、家族は当局によって自宅や職場で嫌がらせを受け、師濤さんとの面会も容易ではありません。師濤さんは2005年に有罪判決を受け、10年の刑に服し