思いもよらなかった間違いをしでかした経験は誰にでもあるだろう。﹁なぜ間違えたのか﹂﹁たるんでいるのではないか﹂と質されても、﹁つい、うっかり…﹂としか答えられない。 ハイテクの粋である、情報システムの世界においても、こうした“うっかりミス”は発生する。そして、そのミスの結果、情報システムが停止ないし誤作動し、社会全般に迷惑をかけてしまうこともある。ミスの単純さに比べ、影響が及ぶ範囲は広いので、実に悩ましい。 2008年5月から6月末にかけて、情報システムに関する、うっかりミスについてずっと考えていた。﹁日経コンピュータ﹂7月15日号の特集記事、﹃﹁うっかりミス﹂は無くせる﹄︵関連記事﹁トラブル原因の半分がうっかり﹂、﹁7割がうっかりに直面﹂︶のデスクをしていたからだ。デスクとは、現場の編集記者を支える役回りである。 うっかりミスとは、いわゆるヒューマンエラーと言われるものである。発電所や交
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