誤ったメッセージを送った職域接種 新型コロナウイルスの新規感染者数が減少傾向を示し、10月1日には緊急事態宣言が解除された。 これは新型コロナウイルスの2回のワクチン接種を終えた人の割合が全人口の約6割に達したことが大きな要因の一つと言えよう。 ワクチン接種は重症化予防につながり、死者数も抑えることができる。菅政権がワクチン接種を積極的に進めてきたことは一定の評価ができる。 しかし、政府はワクチン接種ばかりを一気に進めたため、﹁とにかくワクチンを打てばいい﹂という誤ったメッセージを国民に送ってしまったのではないか。特に職域接種は、ワクチンの目的を失わせ、深刻な国民、または社会の分断を招いた。今後のために、ワクチン接種の進め方を検証する必要があるだろう。 ワクチンの本来の目的は重症化を防ぐことだ。ワクチンを打っても感染を完全に防げるわけではない。インフルエンザワクチンを接種しても罹患︵りかん
![哲学なきワクチン接種が国民の分断を招いた | | 中島克仁 | 毎日新聞「政治プレミア」](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/195231c16e53ecc5fd7f082465107c928b2adf60/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fcdn.mainichi.jp%2Fvol1%2F2021%2F10%2F07%2F20211007pol00m010008000p%2F0c10.jpg%3F1)