今回の﹁極言暴論﹂では、記事の後のほうで私の若い頃の話を書こうと思っている。もちろん、このコラムを私物化しようという意図でもなければ、武勇伝などの自慢話をしたいわけでもない。むしろ今でもあまり話したくない恥ずかしい話、つらい話の類いだ。では、なぜ書くのかというと、人月商売や多重下請けが幅を利かせるIT業界で、理不尽な境遇にある技術者たちが明るい未来に向かえるよう、思いっ切り背中を蹴飛ばしたいからだ。私の若き日の体験談はそのための﹁手段﹂として使うつもりだ。 ずっと読んでくれている読者ならご存じの通り、この極言暴論では日本のIT業界の現状を厳しく批判してきた。というか、私としてはそれこそボコボコにしてきたつもりだ。昔はパッケージソフトウエア、そして最近はクラウドサービスが世界の潮流になっているにもかかわらず、日本のITベンダーは客の要望を聞いて﹁人月︵単価︶いくら﹂の工数ベースで開発料金を設