とうとうドナルド・トランプ氏が第45代アメリカ合衆国大統領に就任した。トランプ政権は﹁リアリティーTV政権﹂と呼ばれているが、現実のようでありながら現実とは信じがたいものが目前に展開される、妙な感覚を味わっている。 政権初日から明らかになったのは、トランプ政権とメディアの緊張関係である。嘘を突き通そうとする政権をメディアが批判するが、そのメディアをトランプ大統領がまた﹁嘘つき﹂呼ばわりする。トランプ政権とメディアの応酬が、雪だるま式に巨大に膨らんでいく様子がこれからさらに見られるだろう。 選挙期間中は、メディアが図らずもトランプ候補を宣伝する役割を果たしてしまったことが多々あった。当初は、メディアでのアピールに長けた同氏を面白おかしく報道していたことが、トランプ候補の露出度を否応にも上げた。まさかこんな人物が大統領になることはないだろうという一種の安心感のようなものが、そうした不用意な報道
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