文化と社会に関するhharunagaのブックマーク (8)
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なぜ、本を読むのか? Why do we need to read books なぜ、本を読むのか?本書﹃読書人カレッジ2022﹄の執筆者の一人である明石健五は、それを﹁考えるため﹂であると言います。 ある未知のものに出会ったとき、そこに驚きと感動が生まれる。そうして、初めて自分なりに思考することができ、それを人に伝えることができるようにもなる。 そういう過程を生きられる人のことを、﹁知性ある人﹂というのではないか。では、﹁知性﹂を自らのものにするためにはどうすればいいのか。繰り返しになりますが、﹁読み﹂﹁考え﹂﹁書く﹂ことを通してしか感得できないのではないか。 新しい出来事や局面に出会い、答えのない問題を考えることで鍛えられていくものが、確かにある。そういう問題は、すぐれた本の中にいくつも見つけることができます。 繰り返し考えることによって、自分の思考を鍛えていく。それによって、今の世の
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司馬遼太郎氏の長編﹃坂の上の雲﹄の書き出し﹁まことに小さな国が、開花期をむかえようとしている﹂をもじった、﹁まことに小さな国が、衰退期をむかえようとしている﹂という印象的な一文から本書﹃下り坂をそろそろと下る﹄は始まる。 著者はさらにこう続ける。 ﹁私たちはおそらく、いま、先を急ぐのではなく、ここに踏みとどまって、三つの種類の寂しさを、がっきと受け止め、受け入れなければならないのだと私は思っています﹂ ﹁一つは、日本は、もはや工業立国ではないということ。 もう一つは、もはや、この国は、成長はせず、長い後退戦を戦っていかなければならないのだということ。 そして最後の一つは、日本という国は、もはやアジア唯一の先進国ではないということ﹂ 日本経済の衰退が避けられないのなら、それとどう折り合いをつけるべきか。そして、どのようにして長い後退戦を戦い抜いていけばいいのか。本書は、日本各地での具体的な取
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ポストメディア都市と情動資本主義の回路 ──YouTuber、﹁恋するフォーチュンクッキー﹂、Pokémon GO今年の初夏の頃、JR大阪駅付近の地下街でYouTubeが大規模な街頭広告キャンペーンを打っているのを見て、なにやらもやもやした複雑な気分になった。件の広告は、﹁好きなことで、生きていく﹂というキャッチフレーズでYouTubeが2014年から展開しているプロモーションの一環であり、いわゆるYouTuberが一組と二人取り上げられている。学ラン姿で歴史ネタのダンスを披露する男性二人組︵エグスプロージョン︶、自分の顔を実験台にしてメイクアップの技を披露する看護師の女性︵関根りさ︶、洋楽の日本語カバー動画でブレイクしてメジャーデビューした女性歌手︵MACO︶。私はこの広告を目にするまで彼らのうちの誰も知らなかったが、それぞれ数十万規模のチャンネル登録者数を持つ人気YouTuberであ
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よい仕事とは何か、長らく考えられてきた問いである。本書ではクラフツマンとその精神性の歴史的背景を理解し、今の時代と文脈でどう再解釈できるかの議論を通じて、問いと対峙していく。シンプルな問いほど答えを出すのは難しい。本書も答えよりも、問いのまわりをクラフツマンの仕事と共に逡巡し続け、新たな問いを読者に投げかける。 近代の仕事は﹃絶望的に真面目﹄なのである。それゆえ、有用性が支配するとき大人は考える能力の中の何か本質的なものを失う20世紀後半のニューエコノミーの進展により、創造性や新しいアイディア、高速なPDCAと短期的な業績を脅迫する労働環境を加速させた。仕事から﹁社会性﹂と﹁物質性﹂が失われ、仕事の達成それ自体に満足をおぼえる余裕がなくなった。そして、シリコンバレーのエンジニアでさえ、絶え間なき技術力の向上が雇用を守ってくれるかどうかを信じられなくなっている。インドや中国など新興国の安価
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2016.08.12 女性の持つ破壊衝動や暴力性を認めること~女性客が大半であった﹃シリアルキラー展﹄から考える、欲望と抑圧 ひと月ほど前のことですが、東京銀座のヴァニラ画廊で開催された﹃シリアルキラー展﹄︵6月9日〜7月10日︶に行ってきました。最終日に足を運んだのですが、会場は長蛇の列で大盛況、男女比はおおよそ男3‥女7という割合でした。 SNSなどで検索すると、﹃シリアルキラー展﹄は連日大賑わいであり、かつ大半が女性客であるという情報が散見されていましたので、この日も連日と変わらぬ賑わいを見せていたのでしょう。 この展示のパンフレットに記載されていた作品所有者であるコレクターH・N氏によれば、﹁誰かに見せるわけでもなく、ましてや自慢できるようなものではない、孤独に蒐集してきたコレクションであるが、これらのものを通じて、彼らの精神世界を覗くことの意義はゼロではないと信じたい。犯罪者への
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これまで写真加工アプリと言えば、﹁美肌﹂や﹁デカ目﹂や﹁細身﹂﹁足長﹂﹁メイク﹂、﹁赤目補正﹂などといった、被写体の顔を﹁美しく﹂見せたり﹁整え﹂たりするのが一般的でした。ものによっては、﹁デカ目すぎて、足長になりすぎて宇宙人みたい……﹂などと、特定のコミュニティの美と一般的な審美基準が明らかに異なるものもありましたが、概ね、﹁被写体をより良く見せる﹂ためにあるものでした。 しかし、最近アイドルやモデルの間で人気の、顔がぐんにゃりと不自然に歪むアプリ﹃ヘンテコカメラ﹄や、被写体の顔を別の被写体の顔と交換したり、イラスト調から写実まで犬や猫の頭部と合成することが好評な﹃Snapchat﹄﹃SNOW﹄といったアプリの顔加工は、被写体を﹁美しく﹂見せたり﹁整え﹂たりすることとは真逆です。 顔が不自然にぐんにゃりと曲がる加工を施せば、どんな美人も心霊写真のように、﹁写っていること自体が怖い﹂ような
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