修士課程を終えて博士課程に進む学生の数は03年度の1万1637人がピークで、18年度には約半分の6022人まで落ち込んだ。正規雇用で安定した研究ポストが減り、博士号を取ってもその先の展望が描きにくいことが背景にある。 次に、日本の研究力を見てみよう。注目度の高い科学論文数の国際順位は1990年代前半まで世界3位だったのが18年は10位まで落ちた。同じ平成の30年間に産業競争力も低落。鉄鋼・造船のような重厚長大型産業だけでなく、家電製品やパソコン、半導体のようなハイテク分野でも国際市場シェアの低下が進んだ。 産学そろっての地盤沈下を招いた﹁主犯﹂は、イノベーションの担い手を育てる仕組みの弱さだ。 イノベーションといっても日本が得意とした﹁よりよいものを、より安く作る﹂式のプロセスイノベーションではない。米アップルのiPhone︵アイフォーン︶のようなプロダクト︵製品︶イノベーションである。プ
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