﹁○○歳とは思えない﹂は高齢者への褒め言葉として何の気なしに使われることが多いだろう。だが、その﹁ギャップ﹂は誰もが気にすべき重要なことのようだ。老化の生物学を研究するモーガン・レヴィン博士に英紙﹁オブザーバー﹂が聞く。 私たちには年齢が2つあると言える。暦︵れき︶年齢と生物学的年齢だ。暦年齢はいつ生まれたかに基づく固定的なものだ。生物学的年齢は身体の働きに即し、どんな生活を送るかという選択に影響されうる適応性のあるものだ。 モーガン・レヴィン博士︵37︶は、後者を測定するさまざまなツールをデザインしている。新刊﹃真の年齢﹄︵未邦訳︶では、生物学的年齢を定期的に測定すべきだと論じ、各自が老化の過程をチェックし、制御さえするための情報を提供してくれている。 米国イェール大学医学部で病理学と疫学の准教授を務めるレヴィンは2022年6月に、新設のアンチエイジング生命工学スタートアップ企業﹁アルト