きしださんの以下のツイート オブジェクト指向はこの20年だれも再定義せずみんな自分の思うオブジェクト指向を暗黙に仮定して適当に話してるだけなので、技術的な共通認識のもとの議論はほとんどできないんですよ。という話を「オブジェクト指向をきちんと使いたいあなたへ」の記事に書いたのだけど、そろそろ公開するか— きしだൠ(K8S(Kishidades)) (@kis) July 29, 2019 を読んで、そういえば、私が思うオブジェクト指向の定義、についてツイッター以外ではあまり語ったことがなかったなと思い返し、ちょっと記事にしてみることにしました。まず、結論からいうと、私はオブジェクト指向プログラミングとは サブタイピングを活用したプログラミング手法の総称 と考えています。ここで、クラス継承とかインタフェース継承とかダックタイピングとかではなく、単にサブタイピングであるのがポイントです。なお、型
「Why Haskell matters?」(なぜ Haskell は重要か?)には、Haskell とオブジェクト指向プログラミングを比較した章があります。日本語訳が見当たらなかったので、必要な部分を訳してみます。 オブジェクト指向プログラミングの優れた利点は、データとそれに作用する関数を一つのオブジェクトにまとめられることではない。優れた利点、それは、(実装からインターフェイスを切り離せる)データのカプセル化と、(型の一群の振る舞いを同じようにする)多相性だ。しかしながら、データのカプセル化と多相性は、OOP の専売特許ではない! いやぁ、心洗われる文章です。:-) データのカプセル化 Haskell でのデータのカプセル化は、それぞれのデータ型をそれぞれのモジュールで宣言し、そのモジュールからインターフェイスだけを公開することで実現できる。モジュール内部には、内部データに触れる関数群
Haskellの型クラスは、うまく使えば高いパフォーマンスと抽象度を両立できる、優れた仕組みである。その使い方のコツは、決して理解の難しいものではない。 小さな性質、大きな恩恵 プログラマは大きなものを小さく見せがちだ。オブジェクト指向プログラミングに慣れている人がやりがちなアンチパターンとして、欲しい機能と、それを分割する基準が現実に寄りすぎていて、一つ一つが巨大というものがある。 普通のプログラミングではありえない例かもしれないが、たとえば家を作りたいことを考える。「ベッド」「箪笥」「台所」「冷蔵庫」「トイレ」「風呂」のように設備ごとに分けた抽象化をしたいと考えるだろう。確かにこれは理に適っているように見える。だが、これらの設備を型クラスでまとめるのは悪手だ。 風呂やトイレには水を利用できるという性質が、冷蔵庫には電気が必要だ。部屋と部屋は壁で仕切られ、場合によっては扉があるかもしれな
オブジェクト指向を行使する心 ではオブジェクト指向の必要性と仕組みについて議論した。 インスタンスは言語によって様々な実装方法があるが、大きく分けて「クラス(処理)のインデックス」か「処理そのもの」のどちらかがインスタンスの内部に隠れている。 と述べたが、Haskellの場合、クラスのインデックスに基づいた表現では、インターフェイスは型クラス、クラスはインスタンス、インスタンスは存在量化された型の値に対応する。…といってもややこしいことこの上ないので、実装例を考えてみよう。 まず、問題となっている愚直な実装は、Haskellではこんな感じだ。 data World = World { … } data SceneId = Menu | Map | Battle draw :: SceneId -> World -> IO World draw Menu = … draw Map = … d
これはオブジェクト指向 Advent Calendar 2014の7日目の記事です。 入力によって変化する状態をうまく扱うことはプログラミングにおいて重要である。この記事では、状態や手続きを扱うさまざまなアプローチを紹介、比較する。 手続き型プログラミング 命令の列である手続きを「定義」「呼び出し」する記述力を提供する。命令の結果として得られた値に依存して、次に行う手続きを決定するという性質が肝である。 コルーチン 手続きに区切りを設けることで、「途中まで実行された手続き」を値として扱う。手続きが持つ潜在的な状態を閉じ込めることができるため、柔軟性が高い。 第一級手続き型プログラミング 手続きをデータ構造の一つとして表現し、呼び出すだけではなく、手続きそのものに対する操作も可能にする。「手続きの結果として得られた値に依存して、次に行う手続きを決定する」性質に対応するものとしてモナドがある。
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