前回の話はこちらから https://note.com/malaysiachansan/n/n2546e857f491 この話は2023年に遡る。この日、マレーシアの港湾でコンテナリース会社を営む氷堂律(ひょうどうりつ、通称ちゃん社長)は、プトラジャヤにいた。プトラジャヤはクアラルンプールの南25kmに位置する都市で、マレーシアの行政の中心都市である。1990年代まで、マレーシアの中央省庁はクアラルンプール市内の様々な場所に点在していたが、交通渋滞が悪化するに連れ、庁舎間の移動や連絡に支障をきたし始めた。そこでマレーシア政府は散らばっていた庁舎をまとめて移転し、効率的な行政拠点を新たに設けようと考えた。その都市こそがプトラジャヤだ。 まず1999年、首相官邸がクアラルンプール市内からプトラジャヤに移転した。さらに2001年には連邦裁判所や王宮、そして種々の庁舎の移転が完了し、この都市は「連