ジョブズ氏が好きだったすしを握る高橋一郎さん。カウンターの一番奥が1人で来た時の定位置だった=米カリフォルニア州パロアルトの陣匠で、堀山明子撮影 米アップルの共同創業者、故スティーブ・ジョブズ氏︵5日死去、享年56︶が死期を予感し、ごく親しい友人を招いて“お別れ会”を繰り返したすし屋が米カリフォルニア州シリコンバレーのスタンフォード大近くにある。2人のすし職人、金子典民さん︵46︶と高橋一郎さん︵39︶が共同経営する﹁陣匠︵じんしょう︶だ。高橋さんが取材に応じ﹁決して泣き言を言わない人だった﹂と病と闘う姿を語った。すし職人が見たジョブズ氏とは。︻パロアルト︵米カリフォルニア州︶で堀山明子︼ ﹁この巻物のトロ、何時にたたいた?﹂08年夏のランチタイム。1人でふらりと来てカウンターに座った男性客は、やたらと質問が多かった。﹁このサバはどこから来たの?﹂﹁冷蔵庫の魚は、カウンターのと同じもの?