政府は、福島第一原発の事故調査委員会の調書127人分を公開しました。震災前に当時の規制当局の原子力安全・保安院で、巨大津波対策を検討しようとしたところ、複数の幹部にとがめられたとする証言があったことが分かりました。 新たに公開された調書によりますと、2010年ごろ、当時、保安院・耐震安全審査室の小林室長が、過去に福島で起きた巨大な貞観(じょうがん)地震のリスクを検討し、新たな津波対策を提案しました。これに対し、保安院の複数の幹部から、「余計なことを言うな」「あまり関わるとクビになるよ」と言われたと証言していることが分かりました。室長は、2011年3月に東京電力の担当者に対し、新たな津波対策の必要性を伝えましたが、担当者は「2012年秋の土木学会の評価の見直しを待ちたい」と答えたということです。室長は「それでは遅い」と話しましたが、その4日後に東日本大震災が起きました。これで合わせて202人
文部科学省によりますと、6日、茨城県大洗町にある日本原子力研究開発機構の核燃料の研究施設で、袋の中から放射性物質の粉末が漏れ出し、作業員5人の手袋や服などが汚染されたトラブルで、新たに1人の肺からおよそ2万2000ベクレルの放射性物質が計測されたということです。どのくらい被ばくしているかは、まだ分かっていないということです。このため、この1人を含む5人全員について内部被ばくについての詳しい検査が必要だとして5人を現在、千葉市の放射線医学総合研究所に搬送しているということです。
大雨の影響で、東京電力福島第一原子力発電所では、11日朝早く、敷地内に降った雨水が排水路のせきを越え、断続的に海に流れ出しているのが確認され、東京電力が雨水に含まれていたとみられる放射性物質の濃度などを調べています。 海に流れ出していたのは午前3時すぎからと、午前5時20分から、午前6時すぎからの3回で、流出していた時間は合わせて2時間半余りだということです。 この排水路は、ことし2月に汚染された雨水が海に流れ出ているのが見つかったため、せきを設けて雨水をポンプでくみ上げる応急措置を取っていましたが、東京電力はポンプの能力を超える量の雨水が排水路に流れ込んだとみて、雨水に含まれていたとみられる放射性物質の濃度などを調べています。 この排水路では、ことし5月から港湾内につながる別の排水路への付け替え工事が進められていますが、まだ工事は終わっておらず、大雨が降るたびに雨水がせきを越えて海に流れ
今週のコラムニスト:クォン・ヨンソク 〔2月15日号掲載〕 東京電力が、厚かましくも電気料金を上げるらしい。原発か値上げかの二択を迫るあたりは、旧態依然とした体質そのものだ。ところで、もう1つ僕が不快に思うのは、その社名だ。東京の莫大な電気需要のため、東北に危険な原発を押し付けておいて「東京」電力とは何事か。 東電はその事業地域内に、自社が保有する原発を置いていない。東電の原発がある県はいずれも、「東北」電力の事業地域だ。東電は社名をエコならぬ「エゴ電力」に変えるか、あるいは「安全」なはずの原発を東京に持ってくるのが筋だ。 その東電の原発で起きた事故後、スーパーでは野菜や肉、魚介類などの産地を確認する客をよく目にするようになった。震災前はあまり意識されなかったが、東京の生鮮食品の多くは東北からのものだ。東京人はいかに自分たちの胃袋が東北に支えられてきたかを痛感しているはずだ。 僕も含め、東
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