交通事故の被害者を保護、救済することを目的に組織された「自賠責保険・共済紛争処理機構」が、約10年前から「違法」ともいえる運用で被害者に不利益を与えていたことが発覚した。それに気づき、裁判まで起こして是正させた札幌の青野渉弁護士に、この1年の闘いと、損保業界の変わらぬ払い渋り体質について、自賠責保険問題の追及を続けるジャーナリスト・柳原三佳が聞いた。 場合によっては賠償金に数千万円の差が 柳原三佳(以下、柳原) ビッグモーターによる保険金不正請求問題、保険のカルテル問題など、昨年から損保会社が絡んださまざまな不祥事が表面化し、大問題となっています。そんな中、青野先生はこの1年あまり、損保会社が深く関与しているある組織との闘いを続けてこられたそうですね。 青野渉弁護士(以下、青野) はい。損保業界が出資して設立された「一般財団法人 自賠責保険・共済紛争処理機構(通称/紛争処理機構)」が、ここ
![自賠責紛争処理機構が行っていた「被害者切り捨て」、違法行為を改めさせた弁護士の戦い(前編) ビッグモーター事件より悪質、「被害者救済のための機関」で払い渋りはなぜ起きた | JBpress (ジェイビープレス)](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/a324c3774c526ffcc19d26effe6c553728f0c5bc/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fjbpress.ismcdn.jp%2Fmwimgs%2F0%2Fe%2F1200mw%2Fimg_0e38dccd93084beb73b34d5fc530ddb829977650.jpg)