大規模な洪水被害が続くタイでは、10月28日にタイ湾の大潮を迎え浸水域がさらに広がっている。首都バンコクでも道路など一部が冠水し、北部のドンムアン空港はほぼ全域が浸水した。日本の河川と違い、数カ月にわたってじわじわと広がっている洪水被害は、どんなメカニズムで起こっているのか。ダムや堤防による治水計画は機能しているのか。専門家の意見や文献を参照しながら分析する。
![タイ洪水で首都バンコクも浸水、治水は機能しているか](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/e0535a43be5f61a275a58a1ccec948757af737e7/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fxtech.nikkei.com%2Fkn%2Farticle%2Fconst%2Fnews%2F20111029%2F553790%2Fthumb_720_01.jpg%3F20220512)
Saha Rattana Nakorn工業団地内のHEWTECH (THAILAND) Co., Ltd.(平河ヒューテックのデータ) 今夏以降の豪雨による洪水被害が拡大しているタイで、日系企業の生産拠点が集まるAyutthaya県のSaha Rattana Nakorn工業団地が浸水し、2011年10月4日、当局から退去命令が下された。 事態を受けて、2011年10月6日から、同工業団地に工場を持つ日系企業が株主に向けて工場の操業停止をそれぞれ報告している。ただし、現時点で工業団地への立ち入りができないため、各企業とも「被害状況や復旧の見込みは現時点で把握できていない」とする。 操業停止を報告しているのは、サーミスタ素子とセンサの専門メーカーである芝浦電子や、自動車用シートや内装部品を手がけるテイ・エス テック、車体プレス部品などを生産する丸順、バルブ機器メーカーのヨシタケ、ケーブルや通
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