第149回の芥川賞と直木賞の候補作が発表され、芥川賞の候補にはミュージシャンや劇団の主宰者など、文学以外の分野でも活躍する多彩な顔ぶれがそろいました。 今回の芥川賞の候補作は、いとうせいこうさんの﹁想像ラジオ﹂、戌井昭人さんの﹁すっぽん心中﹂、鶴川健吉さんの﹁すなまわり﹂、藤野可織さんの﹁爪と目﹂、山下澄人さんの﹁砂漠ダンス﹂です。 このうち、東日本大震災後の世界を舞台に死者の声を届けるディスクジョッキーを描いた話題作﹁想像ラジオ﹂で初めての候補となったいとうせいこうさんは俳優やミュージシャン、司会者などマルチな文化人として知られています。 また戌井昭人さんと山下澄人さんは、共に劇団を主宰しているほか、鶴川健吉さんは相撲の行司をしていた異色の経歴の持ち主です。 一方、直木賞の候補作は、伊東潤さんの﹁巨鯨の海﹂、恩田陸さんの﹁夜の底は柔らかな幻﹂、桜木紫乃さんの﹁ホテルローヤル﹂、原田マハさ