﹁これはTBドラマ小説です﹂ ︻第6話︼ *** ︻第7話︼ ﹁﹃俺みたいな馬鹿な奴﹄・・・か。ありゃ、正真正銘の馬鹿だわ、あはは。﹂ 帰り道、独り言は闇に虚しく響いた。 そういえばあの電話。 せっかくの申し出だったけど、ユウヤに会う理由はなかった。 一方的な別れの宣告の直後は怒りしか覚えなかったけど、よくよく振り返ってみれば、三年間も一緒にいて気持ちを預けきれていなかったのは自分のほうだったということにやっと気づいた。 はっきりとわかっていたのかどうか。ユウヤもきっとそのことが歯がゆかったのだろう。 だからメール一通で﹁ハイ、終しまい﹂。 これまでこっちの出方を探っていたのかもしれないけれど、今やり直したところで着地点は同じこと。 ﹁な~んだ。結局はオイカワさんより好きになれなかったってことじゃない。 正真正銘の馬鹿はアタシかもね。﹂ 闇に虚しく響くのは、虚しい言葉を発したからだ。 手の