戸建て住宅の構造材を加工するプレカット工場にバランスの悪い「危ない間取り」の設計図が持ち込まれるケースが目立ち、多くはそのまま建設されている――。そんな話を耳にした。警鐘を鳴らすのは職業能力開発総合大学校建築システム工学科の松留慎一郎教授だ。 具体的には1階と2階で柱の位置や壁の位置が半分以上、合っていない住宅だ。設計の基本を理解した人にとってはにわかには信じられないようなことだが、プレカット工場の担当者へのヒアリング結果によると「レアケースではなく、むしろこちらが主流になってしまっているのが実態という印象だ」(松留教授)。 1階と2階の平面図を重ね合わせると、2階の柱や壁の下にそれを支える柱や壁が存在しない。1階と2階の柱や壁の位置が合致している割合を「直下率」と言うが、柱の直下率が50%を下回ると、横架材がたわんで2階の床に不陸などが発生する事故の発生率が3倍以上に高まるという調査結果
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