糖の一種であるマンノース(Man)に結合する天然物・プラディミシンAが新型コロナウイルス (SARS-CoV-2) の感染を抑制することを発見した。プラディミシンAがSARS-CoV-2表面に存在する糖鎖に結合できることを確認するとともに、プラディミシンAとウイルス糖鎖との結合メカニズムの概要を明らかにした。糖鎖構造はウイルスの変異によって変化しにくいことから、プラディミシンAを基にして様々な変異株に有効な革新的抗SARS-CoV-2薬を開発できる可能性がある。 名古屋大学糖鎖生命コア研究所※の中川 優 准教授、長崎大学高度感染症研究センターの安田 二朗 教授、木下 貴明 助教、櫻井 康晃 助教、広島大学の相田 美砂子 特命教授、赤瀬 大 助教、富山県立大学の五十嵐 康弘 教授、大阪大学大学院理学研究科の伊藤 幸成 特任教授らの研究グループは、放線菌が生産する天然物・プラディミシンAが新型
長崎大高度感染症研究センターの安田二朗教授らの研究グループは3日、土壌に存在する微生物が生産する天然物質プラディミシンA(PRM-A)が、新型コロナウイルスの感染を抑制することを発見したと発表した。同ウイルスの変異株に有効な抗ウイルス薬が開発できる可能性があるとしている。 新型コロナウイルスを覆う突起状のスパイクタンパク質には、糖が鎖状につながった「糖鎖」が巻き付いている。研究では、PRM-Aが糖鎖にくっつくことや、その仕組みを確認。さらに培養細胞を使った試験で、PRM-Aの濃度を高めると同ウイルスの感染を抑制できることが裏付けられた。 新型コロナは変異株に有効な薬の開発が課題となっているが、糖鎖はウイルス表面にあるので、PRM-Aの効果は変異株に対しても変わらないとされる。糖に結合するタンパク質レクチンも、感染抑制に有効なことが既に報告されているが、有害な抗原抗体反応を引き起こす危険性が
損傷した脳細胞同士のコミュニケーションを回復する方法が見つかった(画像はイメージです) Vink Fan/Shutterstock <「治す」ことこそできないが、認知機能は回復し、寿命が尽きるまで深刻な症状を経験せずに済むほど進行を遅らせる可能性があるという> 科学者たちが、マウスを使った実験で、損傷した脳細胞間の通信を回復させることで、アルツハイマー型認知症の症状を改善させることに成功した。進行を食い止めるだけでなく、認知機能を回復させる可能性のある新たな治療法の誕生を期待させる研究結果だ。 【動画】「ママ...バイバイ」 6歳で話せなくなる「子供の認知症」患者の少女と母の会話...反響呼んだ動画 米疾病対策センター(CDC)によれば、アメリカでは現在およそ580万人がアルツハイマー病を患っている。進行性脳疾患のアルツハイマー病は最も一般的な種類の認知症であり、思考、記憶や言語をつかさど
代表: 03-3416-0181 / 予約センター(病院): 03-5494-7300 〈月~金曜日(祝祭日を除く)9時〜17時〉
スタチンは、高コレステロール血症に処方される薬剤です。 このスタチンが新型コロナの重症化を防ぐのではないか、という議論があり国内外で検証が行われています。 スタチンとは?スタチンの一般名と商品名(筆者作成) スタチンは日本人の遠藤章先生が開発した高コレステロール血症の治療薬であり、HMG-CoA還元酵素を阻害することにより、肝臓のコレステロール合成を抑制し、血液中のコレステロールを低下させる作用があります。 また、スタチンは、心筋梗塞・脳梗塞などの心血管疾患発症を予防する効果を有しており、現在スタチンは100カ国以上で販売され、約4000万人が毎日服用するという、世界で最も使用される薬の一つです。 スタチンという言葉は聞いたことがないという方も、クレストール、リバロ、リピトール、メバロチン、ローコール、リポバス、メバコールといった商品名であれば聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。
United Kingdom, High Wycombe, Alzheimer's and Dementia Research, Scientist holding a blood sample during a clinical trial with a MRI on screen Photographer: Andrew Brookes/Image Source 米医薬品メーカーのバイオジェンは「タウ」と呼ばれるタンパク質の脳内蓄積に焦点を絞ったアルツハイマー病新薬の治験に関し、25日に初期データを発表し、「好ましい傾向」が患者に見られたことを明らかにした。 開発番号「BIIB080」の同新薬が標的とするタウは、これまでに注目されてきたアミロイド・ベータとともにアルツハイマー病進行との関連が指摘されている。 バイオジェンは「認知機能および日常生活の動作に関する複数の指標」において良好な
糖尿病治療薬「オゼンピック」など減量目的に使われる医薬品は、ファストフード店やたばこメーカーなどさまざまな企業にとって実際のリスクとなるが、クレジット市場では下振れリスクが十分に織り込まれていないと、バークレイズのストラテジストが3日のリポートで指摘した。 こうしたGLP-1受容体作動薬は人々の減量を手助けする一方、アルコールやたばこなど中毒性のある物質の消費意欲も抑えることを示唆する事例がある。ジガー・パテル氏ら同社のストラテジストによると、これら医薬品の普及拡大によって、ソーダ「ペプシ」やポテトチップス「レイズ」を製造するペプシコやマクドナルド、たばこのアルトリア・グループなどに対する需要が損なわれる可能性がある。 こうした懸念は株価に反映されているようだ。今年の騰落率はS&P500種株価指数が約10%のプラスに対し、包装食品の指数は約14%のマイナスだ。だがクレジットデリバティブ市場
「歯生え薬」を投与され、新たに生えてきたマウスの歯(矢印部分)(トレジェムバイオファーマ創業メンバーの高橋克さん提供) 歯を生やす「歯生え薬」の実用化に、京都大発のベンチャー「トレジェムバイオファーマ」(京都市)などのチームが取り組んでいる。令和6年7月ごろから健康な成人で薬の安全性を確かめる臨床試験(治験)を始め、12年ごろの実用化を目指す。チームは「世界初の試み」としている。 チームは、歯の成長を抑制するタンパク質「USAG―1」の働きをなくす抗体薬を開発。人には乳歯、永久歯とは別に、新たな歯になり得る「芽」のようなものがあるが、通常は生えずになくなる。薬はこの芽に働きかけ、成長を促す。 平成30年、歯の数が少ないマウスに薬を投与し、歯を生やすことに成功した。人と同様、乳歯と永久歯があるフェレットでは永久歯の内側から新たな歯が生えた。令和7年からは生まれつき永久歯の数が少ない「先天性無
正常なオピオイド受容体の分布を示す人間の脳の横断面をポジトロン断層法(PET)でとらえた画像。最も多い部分が赤で、黄、緑、青の順に少なくなる。依存症治療薬のナルトレキソンは、オピオイド受容体に結合して働きを阻害することで効果を発揮する。(IMAGE BY PHILIPPE PSAILA, SCIENCE PHOTO LIBRARY) アイルランドのダブリンに住む俳優、オルガ・ウェーリーさんの体調は、新型コロナウイルスに感染してから数カ月間も悪化し続けた。会話もままならず、長時間集中することもできなくなり、50種類近い症状に苦しんだ時期もあったという。 何度も医療機関に通って治療を受けたが、症状は改善しなかった。だがその後、ウェーリーさんは有効な治療方法に出会う。オピオイド(麻薬や鎮痛剤として働く薬物)依存症の治療薬として有名な「ナルトレキソン」の低用量投与だ。 オピオイド依存症の治療では、
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