JFS ニュースレター No.26 ︵2004年10月号︶ 三重県伊勢市にある伊勢神宮は、昔から﹁神宮﹂といえば伊勢神宮といわれるほど、古くから国民に尊ばれている神宮です。皇室の御祖先の守り神として仰ぐ天照大御神をお祭りする内宮と、衣・食・住・広く産業の守り神として崇敬される外宮があります。 神宮の社殿は、唯一神明造りという日本最古の建築様式です。檜の素木を用いる高床式で、茅葺き屋根を両端の千木が支える構造で、柱は直接地に埋める掘立式です。 この伊勢神宮では、1300年のあいだ、20年に一度、社殿や神宝類、ご装束類のすべてを一新して大御神のお遷りを仰ぐ式年遷宮がおこなわれています。これは日本の文化のルーツを伝え、伝統技術を保存継承する上でも大きな役割を果たしています。20年毎に遷宮しつづけるという仕組みは、日本でも例がありません。﹁20年﹂という周期は、最初に遷宮を始めた天武天皇が定めた