﹁財布の中﹂の話ばかりしてしまうことの問題点──私たち大人世代の間には、﹁お金の話は大っぴらに人前でするものではない﹂という意識が根付いているように感じます。そもそも、お金の話はなぜタブー視されがちなのでしょうか? 田内学さん︵以下、田内︶‥一説としては、江戸時代に幕府が士農工商の中で唯一大金を持つ商人を﹁身分の低い、卑しいもの﹂だとすることで他の民衆の不満を抑え、謀反を防いだことが背景にあると言われていますね。 そこから150年以上たった現在においても、﹁質素倹約こそ美徳である﹂という価値観はまだ根強く残っているのかもしれません。 ──一方で2022年からは高校の家庭科で﹁金融教育﹂が必修になるなど、今の子ども世代は比較的、早い段階から﹁お金とどのように向き合えばいいのか﹂を考える機会を持っていますよね。自分の子どもにどこまでお金の話をすればいいのか、悩んでいる親も多いのではないかと思い