【テヘラン=吉武祐】オスマン帝国末期からのアルメニア人大量殺害をめぐる歴史認識問題などで対立してきたトルコとアルメニア両国は8月31日、国交正常化に向けた最終調整に入ったと発表した。仲介するスイスとの3国による共同声明で、国交正常化と関係改善について両国が国内の合意形成に入り、6週間以内に調印する予定だと明らかにした。 国交正常化が実現した場合、閉鎖されている両国国境を2カ月以内に再開するほか、歴史問題での共同研究なども開始する。 国交正常化は、欧州と中東で仲介外交を展開するトルコにとっては立場を強める利点があり、アルメニアは地域での孤立を抜け出すきっかけとなる。ただ、両国ともに国交正常化に抵抗感を持つ民族主義的勢力がおり、国内手続きが円滑に進むかが焦点となる。