人とロボットの秘密 ロボット工学を﹁究極の人間学﹂として問い直し、最前線の研究者にインタビューした書籍﹁人とロボットの秘密﹂︵堀田純司著、講談社︶を、連載形式で全文掲載します。 バックナンバー‥ まえがき 自分と同じものをつくりたい業︵ごう︶ 第1章-1 哲学の子と科学の子 ←前回﹁第1章-1 哲学の子と科学の子﹂へ ﹁アトムを実現する方法はひとつしかない﹂――松原仁・公立はこだて未来大学教授が語る未来 その試みは意味があることだった では、初期人工知能の研究には意味がなかったのだろうか。まず、そこから知るために、筆者は、公立はこだて未来大学情報アーキテクチャ学科、松原仁︵まつばらひとし︶教授に会った。教授は、 ﹁いや、意味はあったと思います﹂ と指摘する。 松原教授はチェスよりもはるかに指し手が複雑になる将棋︵中国の象棋“シャンチー”や西洋のチェスは、とった相手の駒を盤面に戻すことはでき