上流階級の子女たちが集う私立百花王学園を舞台に、勉強や進路や恋愛といった学園ドラマにおける典型的要素そっちのけでひたすらギャンブルに没頭していく。『賭ケグルイ』シリーズのそうした側面は、コミック原作だからこそ許される非現実性というメリットを最大限に活かしており、そういった点では、各校を仕切っていた輩が集結した高校で学校の頂点を取ろうと喧嘩に明け暮れる者たちを描いた『クローズ』に代表されるような“ヤンキーもの”と近しいにおいを感じる。 劇中で描写されるギャンブルは、単にあぶく銭を稼ぐためのものではなく、ギャンブルによって司られた学内のカーストを上り詰めるためという意味を持ち、いかにして相手を貶めるかと各自がここぞとばかりにイカサマを仕掛け、それをいかにして見破るかというゲーム性も携えている。ここもまた、喧嘩シーンの躍動に重きを置くヤンキーものと通じる部分であり、どちらも物語のほとんどが学校内