東京都の新型コロナウイルス感染症対策を巡り、3月に厚生労働省クラスター︵感染者集団︶対策班の専門家から示された感染者数増加の予測文書2通を都が廃棄していた問題で、小池百合子知事は17日の定例記者会見で、﹁しっかりと情報は公開すべきだとの方向で、︵担当部署に︶指示している﹂と述べ、廃棄したデータを専門家から取り寄せると明らかにした。一転してずさんな公文書管理を認めた格好だ。ただし、文書を廃棄した是非については言及を避けた。︵中沢誠、小倉貞俊︶ 問題は本紙の報道で判明。都によると、廃棄した2通のうち、3月17日に押谷仁・東北大教授から示された文書は﹁現状の対策のままでは2週間後に都内で感染者が約1万7000人に増える﹂との内容だった。その後、内容を精査した同19日文書は﹁約3000人﹂になると記載。同21日の最終的な予測は﹁320人﹂とされ、小池知事は同23日の会見で、﹁320人﹂の数字のみを