ついに、リンカの説明をするときが来た。 ここに至るまでに、何度﹁リンカのところで説明する﹂と書いただろうか? ここまで読んできた人ならば、 リンカというものが、なにやら色々やっているんだな、というのはわかってきたのではないかと思う。 筆者が常々思っていることのひとつに、﹁C言語に関する書籍は、リンカの説明をおざなりにしすぎだ﹂というのがある。 多くのC言語の書籍は、 コンパイラがソースコードをアセンブリコードに変換します アセンブラがアセンブリコードを機械語に変換します リンカが機械語をリンクして実行ファイルが作られます と、いう解説がなされがちである。この説明を見たら、多くの人が、﹁え、リンクってなんですか?﹂と、思うに違いない。 アセンブラには、﹁人間が読めるニーモニックを、機械が読める機械語に変換する﹂みたいな、最低限の説明が付くものの、 リンカの説明は﹁リンクをします﹂のひとことだ