その電話が鳴ったのは2014年のことだった。 ﹁見つかりましたよ﹂。相手は謎めかして言った。声の主は、米アイダホ州立公文書館のミカル・デビッドソン氏だ。 ﹁何がですか﹂。アイダホ州漁業狩猟局の歴史担当者だったシャロン・クラーク氏は尋ねた。 ﹁ビーバーのフィルムです﹂ クラーク氏がこのフィルムの存在を知ったのは、その6年前。今から見ればひどいことかもしれないが、1948年、漁業狩猟局はビーバーを新たな土地に移住させるため、パラシュートで空から降下させるという作戦を遂行した。その様子を収めた映像が見つかったのだ。クラーク氏は一刻も早く見てみたいと思った。 動物たちの移住作戦、今と昔 動物の移住作戦は現在でも行われている。たとえば、クロサイの生息数を復活させるために、この動物に麻酔をかけ、ヘリコプターで足を吊り上げて新しい場所に移動させることがある。シロイワヤギに目隠しをしてヘリコプターで別の土