家庭の常備薬として広く知られる正露丸。その製造元である大幸薬品は、日本企業でもいち早く海外市場の開拓に乗り出した。50年以上前に輸出を開始し、現在では中国、台湾、香港に販売拠点を構える。同社はいかにして海外進出を推し進めてきたのだろうか。 戦後間もなく輸出業務を開始 ﹁消費者の方々に対して、“健康”という大きな幸せを提供したい﹂。大幸薬品は、終戦直後の1946年に創業者である柴田音治郎氏のこの強い“思い”を具現化すべく、大阪府吹田市で産声を上げた製薬会社である。看板商品の﹁ラッパのマークの正露丸﹂は発売以来、多くのファンを獲得し、同社はビジネスを順調に拡大させてきた。 成長の原動力の1つに位置付けられるもの。それが、正露丸の医薬品としての機能性の高さである。その主原料である日本薬局方木︵もく︶クレオソートは、下痢や食あたり、歯痛など幅広い薬効があり、そのことはすでに医学的にも証明済みだ。正
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