「殺人未遂の罪で、7年半の刑を言い渡す」。12月中旬、チューリヒ州高等裁判所 ( Obergericht ) で約1週間にわたって行なわれた裁判を忍耐強く取り仕切っていた裁判長は、よどみない声で被告人に有罪判決を言い渡した。 着古したダークグレーのジャンバーを羽織った被告人 ( 43歳 ) は、無表情で判決を聞いていた。その横顔には、有罪判決を下した9人の裁判員の目が注がれていた。 徹底的に洗い出す 2004年9月11日午前5時45分、チューリヒ市内の繁華街にあるレストランでトルコ人のタクシー運転手が、バーで働く同朋の男性の胸など3カ所をピストルで撃ち、重傷を負わせた。犯人はその後、自首。正当防衛だったと主張したため2006年5月、チューリヒ州の高等裁判所で裁判員裁判が行なわれた。 その際に下されたのは、8年半の実刑判決だった。しかし、「通訳などに不都合があった」という被告の申し出が認めら
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