日経ビジネス7月8日号の特集「再考 持たざる経営」では、店舗や人、物流などで企業が何を「持つか」「持たないか」の戦略が業種や企業によって分かれてきたことをレポートした。 製造業にとって研究開発は企業の競争力を左右する重要な存在だ。「中央研究所」といえば、研究開発を支える組織として欠かせない組織のはず。その重要な組織をあっさり解体したのがポンプや半導体関連装置、環境関連のプラントを手掛ける荏原製作所だった。 「とにかく研究と製品が乖離していた」。今から10年前、研究所を廃した当時の担当役員だった辻村学フェローは当時の総合研究所の状況についてこう話す。当時の最大の仕事といえば、「一年間の研究『成果』を記す年報を書くことだった」と辻村氏は振り返る。事業部の現実とは関係ない研究でも年報に「成果」を書けば、研究員を評価する対象となっていた。それはポンプやプラントなどを手掛ける事業部へ還元するビジネス
![荏原製作所、研究所解体も特許出願4.5倍](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/383f24b3464f3329e3acea65e215bd7cae17bdff/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fbusiness.nikkei.com%2Fatcl%2Fgen%2F19%2F00056%2F070900004%2Ffb.jpg)