九州大学は12月、従来の風車に比べて発電効率が数倍高い﹁風レンズ風車﹂を博多湾に浮かべ、実用化に向けた実証実験に乗り出す。この風車は既存の風力発電の問題点だった騒音を抑えることも可能。東京電力福島第1原発の事故後、自然エネルギーへの関心が高まる中、関係者は太陽光発電の設備なども加えた﹁エネルギーファーム﹂造りの足掛かりと期待する。 風レンズ風車は、レンズが光を集めるイメージから、﹁風を集める﹂という意味で名付けられた。風車翼を覆う輪が特徴で、開発者の九州大応用力学研究所の大屋裕二教授︵風工学︶によると、輪に付いている帽子の﹁つば﹂のような部分が高い発電効率を生む。つばがあるため風車の外側を通る空気の流れが乱れ、風車の前と後ろの気圧差が大きくなって風力が増し、﹁発電量が2〜3倍増加する﹂︵大屋教授︶という。 さらに輪で覆うことで、騒音や低周波音を抑えるほか、視認性が高まり鳥が衝突する﹁バ