共同購入クーポンサイトのGroupon(グルーポン)旋風が、毎日のように世界各地で巻き起こっている。 そこで読者離れが進む雑誌や新聞も、グルーポンで定期購読者の獲得に乗り出した。その動きをThe Nieman Journalism Labが詳しく紹介している。その中で成功事例として話題にしているのが、米デンバーの地方雑誌「5280」である。1日で4715人の年間購読者を新規に獲得した。デンバーのグルーポンで特定の日に、年間購読費14ドルを共同購入者には半額の7ドルに割引するというサービスである。 この成功事例に刺激を受けて、グルーポンを活用する雑誌社や新聞社が次々と現れ始めた。以下は6月以降で、グルーポンにより新規の定期購読者を1000人以上獲得した雑誌である。 確かにグルーポンは、1000人前後の定期購読者をほとんど瞬時に確保できる可能性のある「特効薬」かもしれない。でも「麻薬」のような
タイムズ、サンデータイムズのウェブサイトの閲読有料化から3週間余となったが、アクセスする読者が減ったのはまず確かとしても、どれぐらい減ったのか、正確にはわからない。タイムズ側がまだ正式発表をしていないためだ。 いくつかの試算は出ていて、ガーディアン紙の計算によれば、2月時点のタイムズのオンラインサイトの読者と比較して、90%減少した、という。 http://www.guardian.co.uk/media/2010/jul/20/times-paywall-readership ただし、これは必ずしも失敗とはいえないだろう。こういうレベルを覚悟してやりだしたわけだし、紙の新聞を買ってくれるか、あるいは購読者になってくれれば、数が少なくてもよい、という考えのはずだ。(ネット上の影響力というのは度外視だ。) 「英国ニュースダイジェスト」紙のニュース解説「ウイークリーアイ」に、タイムズサイトの課
米Time誌のサイト(www.time.com/time/)は充実していた。Webのための毎日のニュース記事に加えて、週刊誌Timesの最新号の記事も事実上ほとんどが閲覧できたからだ。さらに昔の記事までも検索でき、閲覧できた。ユーザーにとって有難いことに、すべてが無料で利用できていた。 ところが突然変わった。最新のTime誌の雑誌記事が、これまでと違ってWeb上で記事全文が必ずしも読めなくなっているのだ。2010年7月12日号の記事から、掲載基準を変えたようだ。いつものように最新号の目次は掲載されている。以前なら見出しをクリックするとほとんど全文を閲覧できた。 ところが目次にある幾つかの雑誌記事見出しをクリックすると、記事の一部しか表示されなくて、その後に次のようなメッセージが現れるようになった(全文を読める記事もある)。 つまり、雑誌記事全文を読みたければ、Times誌の定期購読を申し込
米英の新聞サイトでは、ブログが質量とも充実している。ブロガーとして、第一線の著名な記者や外部のコラムニストも数多く参加している。 こうした新聞サイトのブログは、外部ソーシャル(メディア)との架け橋となる重要な役割も果たしている。このため新聞サイトを有料化しても、一般にブログは誰もが無料でアクセスできるようにしている。代表的な有料サイトであるWSJやFTでも同じである。来年1月にサイトの有料サービスを開始するNYタイムズも、課金の壁によってソーシャルシェアリングに悪影響を及ぼさないようにしたいという。例えば、NYTimes.comのブログは有料化の対象から外す予定である。 ところが、FT(フィナンシャルタイムズ)のサイトが、“Money Supply”と称する人気ブログを課金の壁で囲い込み、有料記事にしてしまったのだ。FT.comのブログ案内ページ(http://www.ft.com/com
これは、Guardian(英ガーディアン)紙の昨日のトップページである。そのページ上段で、guardian.co.uk(GuardianのWebサイト)は"The world's best news website. Free this month. And every month."であると売り込んでいる。「Guardianのサイトは世界でもっとも優れたニュースサイトで、今月それを無料で読める。さらにこれからも毎月“無料で”読める」・・・。 新聞紙の購読者に向かって、同紙のニュースサイトでベストのニュースが“無料”で閲読できると言い張るのだから驚いてしまう。だがGuardianとしては、優れたニュース記事がWebでこれからもずーっと無料で読めるということを主張しておきたい事情があるのだ。 昨年からNews corp.のルパート・マードック(Rupert Murdoch)は、新聞サイトの有
時事通信がついに読売新聞の傘下入りか? 新卒採用凍結は業界再編の序章(1) - 10/05/19 | 07:00 国内2大通信社の1つ、時事通信社は2011年春の新卒採用を全面的に凍結する。業績の長期低迷に昨今のメディア不況も重なり、雇用の過剰感が急速に高まったためだ。 とはいえ、大手マスコミが新卒定期採用の見送りに踏み切るのは、異例中の異例のこと。その深層と真相をめぐり、社内外で様々なさまざまな臆測が飛び交っている。 時事通信は電子メディアなどとの競争激化で収益がジリ貧状態に陥り、09年3月期まで9期連続の営業赤字が続いている(09年3月期の単体営業赤字は44億3400万円)。関係者によると10年3月期も10期連続の営業赤字へと沈んだもよう。 そのうえ社内の試算では11年3月期、12年3月期も「営業赤字が不可避」とされており、いまや「業績浮上のメドすら立たない」(事情通)情勢となっ
「日経電子版」の成否が注目を集めている。岸教授は「勇気ある社会実験」と絶賛したが、2つの経済誌はおおむね懐疑的でブログも同様だ。注目を集めるのは、購読者、広告費ともに減少するなかでの新聞のサバイバルが懸かっており、しかもこれまでの成功例が米国のWSJなど僅かにとどまるからだ。確実に言えるのは、有料版の定着には相当の時間がかかること、そしてそれはたんなる「電子版」などではなく、新聞社が手掛ける新しい電子メディアでしかないだろう、ということだ。 関連記事リンク 「日本経済新聞、電子版を3月創刊。購読料は月額1000円から」 By 村松健至、Internet Watch, 2/24/2010 「日経新聞が電子版をお披露目、空虚に響く『紙の部数は横ばい』の計画」 By 山田俊浩、東洋経済オンライン、 03/02/2010 (週刊東洋経済2010年3月6日号) 「有料電子版という日経新聞の「試行錯誤
NYT(The New York Times)が新しいキャンペーンを3月15日から始めた。そのキャンペーン名は"Numbers" 。いかにNYTがWSJ(The Wall Street Journal)に比べて勝っているかを誇示する数値データが、ズラリと並べられている。 そのキャンペーンのためのメディアキットには、「NYT vs WSJ」の比較データを以下のように羅列している(一部のみ掲載)。NYTがWSJに比べて、いかに良質の読者を数多くとらえているか自慢しているのだ。もちろん、NYTにとって都合のよいデータしかあげていないのだが。 ・NY市場における平日新聞紙のリーチ:91万人(NYT)vs52万人(WSJ) ・サイトへのユニークビジター数(海外):886万人(NYT)vs265万人(WSJ) ・サイトへのビジター数(NY):211万人(NYT)vs71万人(WSJ) ・サイトへのビジ
日本経済新聞の電子新聞事業は成功するのか失敗するのか。結論から言うと、何をもって成功、失敗とするのかという定義にかかっている。報道機関のデジタル部署のほとんどは、自分たちの取り組みが成功していると考えている。だがネットユーザーの大半は日本の報道機関のウェブ事業が成功しているとは考えていない。以前の記事に書いた「新聞は氷河期を迎えようする恐竜」という比喩を使えば、新聞関係者の成功の定義は「飢えをしのぐために木の実を見つけること」であるのに対し、一般ユーザーの成功の定義は「哺乳類への進化」なのだ。 「木の実を見つけること」を成功と呼ぶのであれば、日経の電子新聞事業は成功するかもしれない。だが「哺乳類への進化」を成功と呼ぶのであれば、日経の成功はこれからの取り組み方次第だと思う。これが日経の電子新聞事業に対する現時点でのわたしの感想だ。 わたしはこれまで「新聞社の電子新聞事業は間違いなく失敗する
電通子会社の株式会社MediaShakersの運営するM1・F1総研は、若者と新聞の関係性に関する調査を発表した。 これによると、普段から新聞を読んでいる男性の割合は若い層で減少。しかし若い層の「活字を読むのは好きな方である」する割合は上の年代と比べて低くなく、「雑誌」や「フリーペーパー」、「インターネットニュースサイト」といった活字媒体を読む頻度はむしろ上の年代よりも高くなる。つまり、若者が新聞を読まない要因として、活字離れが影響しているわけではない、としている。 <新聞を読んでいる男性の割合> 20~24歳 34.9% 25~29歳 38.7% 30~34歳 36.4% 35~39歳 43.4% 40~44歳 49.3% 45~49歳 54.4% 新聞を読まないM1層(20~34歳男性)が「新聞を読まない理由」としては、「料金がかかるから(62.6%)」が最大の理由。また、「他のメディ
日本経済新聞社は2010年2月24日夜、電子新聞「日本経済新聞 電子版」(関連記事)の発表に合わせて、「ネット時代のメディアとジャーナリズム」と題するパネルディスカッションを開催した。パネリストとして在米IT(情報技術)ジャーナリストの小池良次氏ら6人が登壇したほか、一般から募集したブロガーら約200人が出席した。 最初に日経新聞の担当者が電子版のコンセプトについてプレゼンテーションを実施。続いて、パネリストとして出席予定だったが急きょ欠席となった慶応義塾大学大学院メディアデザイン研究科教授の古川亨氏のビデオメッセージが放映された。古川氏は「ビジネスモデルとして有償のものを確立しようとする取り組みは良いことだ」としつつ、「(単にネットで記事を配信するのではなく)“ネットワーク”が持つ本質を踏まえて取り組むべきだ。日経新聞だって間違った情報を流すかもしれない。ネットの読者はTwitter(ツ
『MarkeZine』が主催するマーケティング・イベント『MarkeZine Day』『MarkeZine Academy』『MarkeZine プレミアムセミナー』の 最新情報をはじめ、様々なイベント情報をまとめてご紹介します。 MarkeZine Day
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