﹁GoogleはIT︵情報技術︶革命をもたらしたのではない。I︵情報︶のあり方を変えようとしている﹂。﹃ウェブ進化論﹄の著者・梅田望夫氏はこう指摘する。インターネットを過小評価してきた日本企業,IT産業それぞれの将来について,梅田氏に改めて聞いた。 ︵聞き手は桔梗原 富夫=日経コンピュータ編集長,高下 義弘=ITpro,写真は栗原克己︶ ―― ﹃ウェブ進化論﹄の中で,梅田さんが一番伝えたかったメッセージは何でしょうか。 日本の経営者や,ITの専門家と言われている人たちは,つい最近までインターネットの世界について分かったふりをしていました。 特にITの専門家の人たちは,﹁ITのことは知っている﹂という自己認識がある。だから,インターネットの世界について,分かったふりをする。さらには,分かったふりをするために,理解したつもりになる。そのような悪循環に陥って,結果としてインターネットの世界を過