科学者にも哲学者にも解けなかった﹁意識の謎﹂とは何か? 赤いものを見ると、脳のニューロンに電気インパルスが流れ、﹁赤い﹂という感覚が生じます。 この、赤い色を見たときに脳内のニューロンに流れる﹁電気信号自体﹂は、﹁赤い﹂という﹁感覚そのもの﹂ではありません。 もちろん、(1)ニューロンの発火と(2)赤いという感覚の発生は、因果関係もしくはなんらかの対応関係がありますが、両者は別物です。 つまり、脳のニューロンの活動を、分子レベルでどんなに精密に観察しまくっても、﹁赤い﹂とか﹁冷たい﹂とかいう﹁感覚それ自体﹂は、どこにも見つからないのです。 どんなに精密な機械で調べても、活発に電気インパルスを飛ばし合い、シナプスから神経伝達物質を放出しているニューラルネットワークが見えるだけです。*1 では、この﹁赤い﹂とか﹁冷たい﹂とかいう感覚が、ニューロンの分子と電子の活動パターンという物理化学的なもの