小売業の特徴は、いわゆる﹁ニッパチの法則﹂︵売り上げを支える売れ筋商品は全体の2割という法則︶。いかにして売れ筋商品の在庫を把握し、将来の需要を予測して、欠品なく並べ続けるかは生命線だ。 一方、ダイソーの特徴は、取り扱う商品点数が非常に多いことだ。 大創産業情報システム部課長の丸本健二郎氏によると、ダイソーは全世界27カ国で5270店に展開し、新商品は毎月約800。﹁均一価格﹂は日本と同じだが、価格レンジは各国地域の物価に合わせている。 こういう状況では、﹁人間の能力では在庫を把握するのは難しい﹂という前提に立って、丸本氏が取り組んだのが、POSデータの統計的解析から個店ごとの需要予測をして欠品をなくす﹁自動発注システム﹂︵2015年導入︶だった。 着想後、いくつかの店舗で試験的に導入したところ、着実に欠品率が下がり、﹁チャンスロス﹂が解消された。