あれは何年前でしたか。 風の強い冬の夜でございました。 早寝早起きを心がけるよい子の私は十時に就寝。 お気に入りの青い毛布にくるまって、ぬくぬく眠りにつきました。 コーン 夜明けにはまだ遠い深夜。 やわらかな鐘の音が健やかな眠りを破り、 はにゃ?︵+_+ ,゚.:。+゚ 半分だけ現実に戻ってきた私の耳にはっきりと人の声が聞こえてきました。 ﹁じゅりょ~、しょーまんぎょう~﹂ 朗々と響く良い声です。 続けて拍子木がカチカチ。 拍子木のリズムに合わせて、数人のお坊さんがお経を唱え始めました。 ああ、火の用心か。 このへんではお坊さんが回るのだな。 このアパートに引っ越してきて二年か三年。 どこのお寺か存じませんが、寒い中たいへんですねえ。 修行の一環かな。 そんなことを思いつつ、再び夢の中へ。 読経の声は遠くなり、どこかへ消えてゆきました。 一夜明けて、目が覚めて。 んなわけあるかーい!\︵
![【実話怪談】お経 - やれることだけやってみる](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/b8575ef8707bf4f99fcfb9828a70ff017ecdf1bc/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fcdn-ak.f.st-hatena.com%2Fimages%2Ffotolife%2Fk%2Fkaedeya%2F20240206%2F20240206083349.png)