最近、金融機関を中心に老朽化したシステムの存在がひそかに大問題となってきているらしい。﹁老朽化システムなんて以前から問題になってるじゃん﹂と笑う読者もいるかと思うが、それはその通り。だが今はさらに深刻度が増している。何せ老朽化問題に加えて﹁高齢化問題﹂を抱え始めたからな。システムの保守を担える人が60代後半といったシニア技術者しかいなくなりつつあるからだ。これは大変な事態だぞ。いや、違う。逆にとても好ましいことかもしれないな。 なぜ老朽化したシステムで高齢化問題が深刻になりつつあるかというと、高齢化した保守担当技術者の﹁後継ぎ﹂がいないからだ。そりゃそうだよね。老朽化システムの大半は場当たり的で属人化した保守作業を続けてきた結果、いわゆる﹁田舎の温泉宿﹂状態になっており、プログラムのソースコードはぐちゃぐちゃだ。だから、長く保守を担当してきたシニア技術者しか中身が分からない。当然、そのシス
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