──そのころは集英社の会議室に堀井さんが夕方6時ごろに現れて、夜の10時から原稿を書き始めていたとか……。 堀井氏‥ そうなんです、エンジンがかかるのが遅くて︵笑︶。 鳥嶋氏‥ でも、いざ書き始めると1時間くらいで書き上げちゃうんですよ。で、素晴らしいのは書き上がった原稿はほぼ直しが必要ないところ。 ──鳥嶋さんいわく“天才ライター”と。 鳥嶋氏‥ 僕と知り合うまでの堀井さんは、少女誌の﹁セブンティーン﹂というところでお仕事をされていたんですよ。で、少年誌の﹁ジャンプ﹂に来たらすぐにこっちの文体にパッと切り替えられるの。本当にすごいですよね。 堀井氏‥ 根がお子様だから……︵笑︶。 ──いや、でも最初から﹁物を書く﹂才能がお有りだったということではないでしょうか。 堀井氏‥ 僕はもともと、マンガ家志望だったんです。それからマンガの原作とかをやって、その後に雑誌のライターとして働き始めたとい