断続的に話題になる徴兵制だが、実際施行されたら武器の扱いや格闘術に練達した若者が社会に溢れる訳だけど、おそらく兵役に就かないであろう徴兵制を主張する主に年配の、社会的地位が比較的高い人たちは、果たしてその現実に冷静でいられるだろうか。彼らは自身よりはるかに高い戦闘能力を持った「キレる若者」にいつ襲われるかという猜疑心に支配され、拭うことのできない不安な日々を送ることになる。問題は若者の軟弱さにではなく、自身が抱く「若者」という想像上の集団に対する不信であろうから、徴兵制を声高に叫ぶことで自身のその不安から目を背けるのではなく、正面から向き合わない限りその不安は増大する一方だろう。まぁ、そんな自己の客観視が簡単に出来るのならばだれも苦労はしないだろうし、徴兵制を主張するまでには、その弱さを覆い隠すため幾重にも自己確信に到る「正しい情報」を積み重ね、自己の価値観を無謬なものにまで肥大化させてい