じつは、私は30年以上前から都心から1時間半もかかる都会と田舎の中間に存在する﹁トカイナカ﹂で生活しており、そこから都心に出稼ぎに出ています。 東京と比べれば、自然も豊かで、人の密集もはるかに少ない。近隣の農家が作った農産物を直接買うこともできます。私自身、畑を借りて、野菜作りもしています。こうしたトカイナカこそ、年収200万円時代でも豊かに暮らすのにふさわしい﹁理想郷﹂なのです。 限界を迎えつつある﹁東京一極集中﹂ 私が考える新しい時代における理想的な社会のあり方とは、グローバル資本主義の基本理念である大規模・集中を捨て、﹁小規模・分散﹂に転換することです。 これまで東京一極集中が進んできたのは、農林業の市場開放によって木材や農産物の価格が下落し、農業だけで生活できなくなったからです。さらに工場が海外移転して、地方での雇用の場が失われてきたからと言ってよいでしょう。 現代社会では社会保険
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