誰かしらが再分配政策を支持するのは、どうしてなんだろう? 少人数で固まって︵小規模の集団で︶狩猟採集を行うのに役に立ったがゆえに進化してきた﹁感情﹂に突き動かされるためだというのがハイエクの答えだ――加えて、その﹁感情﹂は、狩猟採集社会とは比べ物にならないくらい大勢の人が関わり合う社会秩序︵例‥資本主義社会︶を生み出す上で必要になるルールとそりが合わないという――。 ハイエクの仮説を支持する研究が登場した。スニザー︵Daniel Sznycer︶らの論文︵計9名による共著論文︶がそれだ。この論文では、聞き取り調査を通じて一人ひとりの﹁同情度﹂と﹁嫉妬度﹂が測られている。例えば、﹁同情度﹂を測るために、﹁誰かが悲しんでいるのを見ると苦しくなる﹂だとか﹁情にもろい人は苦手です﹂だとかという文章︵計10の文章︶が用意されている。﹁嫉妬度﹂を測るためには、﹁誰かがいとも簡単に成功している︵手柄をあ
![アレックス・タバロック 「再分配政策が支持されるのは、『同情』と『嫉妬』と『利己心』ゆえ」(2017年8月9日)](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/5438a83115cbd636049e7469be6e7e736ec2ea83/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fi0.wp.com%2Fecon101.jp%2Fwp-content%2Fuploads%2F2023%2F05%2F22764175_s.jpg%3Ffit%3D640%252C427%26ssl%3D1)