私たち人間は常に﹁自由﹂を求め、自らの人生の可能性を追求したり、幸福を実現するために、二千年以上にわたって﹁リベラリズム﹂という運動をつづけてきた。 しかし、リベラリズムにおいて自由が保障されるということは、個々人がなんの足枷もなく自由に振る舞う、ということではない。リベラリズムは、政治に参加したり、公平に裁かれたりする権限・権利が保障されることを求め、同時にそれにふさわしい社会システムを必要とするのである。 本書では﹁法の支配﹂という制御系システム、そして﹁民主主義﹂という駆動系システムという二つの柱に焦点をあて、これまでのリベラリズムがどのような社会システムの中で成り立ってきたのかを検討する。その二つの柱のバランスこそが、私たちが享受する﹁自由﹂を決定づけてきたのだ。 私たちは、﹁リベラリズム﹂という運動をこれからも後世に託しつづけられるのだろうか? それとも、この運動そのものに終止符
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